問題点:
ブラウザの設定で大きさを変更できないフォントが使用されている。フォントサイズを "8pt" や "5mm" のように、具体的な数値で指定している場合に起きます。
対処法:
フォントサイズを絶対サイズ指定(たとえば "large")、相対サイズ指定(たとえば "larger")、またはパーセンテージで指定します。
問題点:
ブラウザで指定できる最大のフォントサイズにしても、文字が小さ過ぎて見づらい。
対処法:
レイアウトを整える目的で小さな文字を指定しないようにしてください。
問題点:
文字色と背景色が、色覚異常ユーザーや白内障ユーザーにとって区別しづらい。色覚異常ユーザーの色の感じ方は、多くの人と多少異なっています。多くの人にとって区別できる色が、色覚異常ユーザーにとっては区別しづらいということも起こり得ます。
対処法:
文字色と背景色にコントラストの差をつけるようにしてください。
明るい背景色に暗い文字色、あるいは暗い背景色に明るい文字色の組み合わせで表示すれば、色を区別しづらいユーザーにとっても文字が読みやすくなります。
問題点:
画像の中に、色覚異常ユーザーや白内障ユーザーにとって区別しづらい色が含まれている。
対処法:
色で表現されている情報は、色以外の情報でも併せて表現するようにしてください。
たとえば、折れ線グラフの場合、複数の統計量を色だけで区別することは避けてください。
色以外の情報、たとえば線種(実線、点線、鎖線など)も統計量を区別するのに利用してください。
すでに、このような工夫がされている画像であれば、このエラーが検出されても対処する必要はありません。
ロービジョンシミュレーション時に検出される問題には、それぞれ 「深刻度」 が計算されます。 深刻度はその問題の深刻さを 0 から 100 までの整数で表したものです。 数字が大きいほど深刻であることを示しています。
固定フォントの問題、小さい文字の問題(フォント・文字関係の問題)の深刻度は 25 に固定されています。 一つのエレメントがこれらの両方の問題を抱えている場合には、両者はまとめられ、詳細レポートの個別表示では1行で表されます。 この場合、深刻度は 50 になります。
テキストの色の問題、画像の色の問題(色関係の問題)の深刻度は、World Wide Web Consortium による "Techniques For Accessibility Evaluation and Repair Tools" に述べられているアルゴリズムに従って求められます。 二つの色(R1, G1, B1) と (R2, G2, B2)(ここで RGB の値はそれぞれ 0 から 255 の範囲をとります)が与えられたとき、2種類の色の差が以下のように計算されます:
明度差 = |(299R1 + 587G1 + 114B1)/1000 - (299R2 + 587G2 + 114B2)/1000|これらの色の差の閾値は、それぞれ 125(明度差)と 500(色相差)に設定されています。 もし、少なくとも一方の色の差の値が閾値以上であれば、その2色は問題なく見分けやすいと判定されます。 そうでない場合は、明度と色相それぞれに対して深刻度が以下のように計算されます:
色相差 = |R1-R2| + |G1-G2| + |B1-B2|
深刻度の値は、シミュレーションに用いられるパラメータに依存します。 テキストエレメントに対しては、シミュレーション後の文字色と背景色が比較されます。 画像に対しては、画像中の大きな連結成分のうち、オリジナル画像では色が見分けやすかった組み合わせのすべてについて、シミュレーション後の色が比較されます。
ロービジョンシミュレーション時のウェブページの総合評価は、そのページで検出されたすべての問題の深刻度の合計値によって決定されます。